k_ikiの雑記帳

DTPのこと、創作のことなど、思いつくまま

罫線の太さ

罫線の太さは、データ上でどのように設定していても、プリンターによってある程度補正されてしまう可能性がある。

線が細ければ細いほど、プリンターの解像度に影響されてしまう。

たとえば、0.1mmをかなり下回る、いわゆるヘアラインを印刷した場合。

 

600dpiのレーザープリンターだと、どんなに細い線を再現しようとしても、解像度の限界のせいで0.1mmより細い線はうまく再現できない。

同じ600dpiといえどもプリンターの機種や状態により差があるが、どんなに状態が良くても0.06mm程度までの再現が限界だろう。つまり、そこに線があれば、たとえその線幅がデータ上で0.06mmより細く設定されていても、0.06mmに近い太さで印字してしまうのだ。

また、0.07mmから0.1mmまでの罫線を0.01mm刻みで太さを変えて並べてみても、人間の目で違いがわかりづらいだけでなくプリンタの再現力のせいもあって、差異がほとんどわからないはずだ。

 

それに対し、2400dpiのレーザープリンターやイメージセッターだと、単純計算で最小の印字単位が600dpiのプリンターの1/4となる。

人間の目で、そこに罫線があると認識できないほど細い線でも印字できてしまう可能性があるのだ。

 

個人用に家庭用インクジェットやレーザープリンターで少部数を刷るだけなら、この問題は表面化しづらいだろう。なにせ、罫線自体は目に見える形で出力されてしまうのだから。では何が問題なのか。

大量に刷るため、業務用高解像度プリンターで印刷した場合に印刷事故がおきてしまう。

 

  • 校正用に安価なレーザープリンターから出力した。細い罫線がきちんと印字されている。
  • 校了となり、印刷に回した。刷り上がりを見ると、罫線が抜けてしまっている。(データ上、罫線は存在するが人間の目で見えないほど細い)

→印刷代と大量の紙が無駄になる。

 

これを防ぐため、Acrobatにはプリフライト機能が搭載されている。これにより、ある線幅よりも細い「ヘアライン」を警告するよう設定することができる。

 

なお、表組などで、表全体を囲む外側の罫は太い線・内側の線は細い線という使い分けをすることがよくある。

このとき、外罫を0.2mm、内罫を0.15mmと設定しても、見た目でほとんど差がわからないだろう。外罫を0.2mmにしたいなら内罫を0.1mmに。何らかの事情で内罫の太さとして0.15mmを確保したいなら外罫を0.3mmにするなど、太さのミリ数が小数点以下の罫線同士で強弱をつけたい場合、太いものが細いものの倍程度になるように設定するのが望ましいのではないかと思っている。